1人が本棚に入れています
本棚に追加
「……アンタ、これ使ったのか?」
少し気になり、ジャックに尋ねる。
「ああ。じゃなきゃ仕組みを知らないだろ?
偶然拾ってな。1発かよと思ったが、使ってみたら驚き。残弾なんてどうでもいい便利な銃だったよ」
ジャックはチャラけた様子で言う。
心底、馬鹿馬鹿しいと思った。少しでも本気にした自分に腹がたつ。
「……もう飽きたよ、ジャック。そのおもちゃで私を撃ってみろよ。巻き戻るんだろ?」
「俺はもういい。どうせなら必要な奴に渡そうと思ってな」
私はため息が出た。
「こんなインチキして楽しいか?」
「俺を信じろ」
ジャックは真面目な顔でそう言った。
「……分かった、騙されてやる。あとで覚えとけよ」
私は拳銃をひったくるとバーを後にした。
最初のコメントを投稿しよう!