残弾1

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結論から言うと、銃は本物だった。 私はその夜、ジャックにまんまとノせられてインチキ銃で仇に発砲した。 足を撃たれて呻く仇。 案の定、下手なエイムで急所を外している。 私はそんな仇を見下ろしていたはずなのに…… いつの間にか、目の前には撃たれる前の仇が立っていた。 「っ!!!……巻き戻ったのか!」 「やってみろ、撃てよ!」 仇は先ほどと同じ表情、同じ声色、同じイントネーションで私に言った。 そこで私は気づく。 拳銃を握った指が動かない。 拳銃を離すことができず、引き金を引くことしかできない。 「望み通り撃ってやる。動くなよ!」 そう言ったものの、正直、復讐する気は失せていた。 一度引き金を引いたことと、撃たれた仇を見たことで、私の復讐心は冷めきってしまった。 殺しても何の意味もない。私が捕まるだけだ。 アイツのために私がペナルティを負う必要はない。 『俺はもういい。』 私はアイツの言葉を思い出した。 ジャックも誰かを殺し、復讐に意味がないと悟ったのだろうか? この銃で誰かを殺して…… いや。 ならば、なぜ『残弾1』なんだ? 
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