残弾1

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「本物じゃないよな」 私は恐る恐る聞いた。 「ん? 当たると死ぬが?」 ジャックはそう言って指を銃の形にした。 「さっさと隠せよ」 私は辺りを確認し、テーブルに置かれた拳銃をジャックに突き返した。 「『復讐したい』なんて言うから、わざわざバーに来てやったんだ」 お前の話なんだよ。とジャックは呆れたように呟く。 「別に殺すとは……」 私は言葉を濁す。 「殺したいんだろ? (かたき)をよ」 「……」 「ビビるな。勝手に撃ちゃしねぇから」 ジャックが再び拳銃を差し出す。 「……知ってる」 「覚悟決めろよ」 私は無言でジャックを睨むと拳銃を手にとった。 「リボルバーか」 そう言って、私はシリンダーを回した。 知ったような口を聞いたが、銃はまるで詳しくない。 いくつか弾の入る構造に見えたので、なんとなく言っただけだ。 「ただの銃じゃない」とジャックが言う。 「ただの銃がやばいんだろうが」と思いながら、私はジャックの次の言葉を待った。 「言葉にすると陳腐だが、言ってしまえば『呪いの銃』だな」 ……はぁ? 
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