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ご飯を食べたあとは漫画を読ませてもらった。
いつ始まるのか。
リキは食器を洗ったあと、洗濯をする。
今日はないのか。
洗濯機が回っている間、リキも漫画を読んでいた。
いつ始まるのか、今日はないのか。
ピー、ピー、と洗濯機が鳴り、リキが洗濯物を取りに行く。
ドサッと僕の足元に冷たい洗濯物が落とされた。
「ガク、干して。」
「うん、わかった。」
僕はタオルを拾いながら立ち上がる。
その瞬間、リキに体を押されて僕は床に倒れた。
あぁ、始まった。
リキの拳が僕の肩、胸、腹、背中に振り下ろされる。
聞こえるのはリキが僕を殴る鈍い音、リキの息遣い、リキが鼻をすする音。
僕を殴る時、リキはいつも泣く。
時折、腕で涙を拭いながらリキは僕を殴る。
太ももの下に落ちている洗濯物が冷たい。
「ガク、ごめんな、ごめんな。」
泣きながら謝りながらリキは僕を殴る。
「リキ、ごめんね。」
僕はひたすら体を硬くして終わるのを待つ。
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