1人が本棚に入れています
本棚に追加
「はぁ…はぁ…。」
リキが立ち上がって袖でゴシゴシと顔を拭う。
「ガク…」
涙交じりの声で呼ばれた僕は痛む腕で床を押し体を起こし、立ち上がる。
そしてガタガタと震えるリキの身体を抱きしめる。
「リキ、大好きだよ。」
「ガク…」
リキの震えがおさまってから少し待って、僕は手を離す。
リキはいつもの無表情に戻っている。
リキは何もなかったかのように洗濯物を拾った。
「ガク、また遊びに来いよ。」
「うん。」
僕はリキの部屋を出る。
僕たちのやり場のない悲しみがリキの部屋に閉じ込められる。
空が眩しい。
最初のコメントを投稿しよう!