1人が本棚に入れています
本棚に追加
/5ページ
「おめでとうございます。お客様は勇者に選ばれました」
デパートに入るなりくす玉が割れクラッカーの紙吹雪が降り注ぐ。
割れたくす玉から出てきた垂れ幕には『祝!100万人達成』と書かれておりここでようやく何かに当選したのだと気づいた。
しかし勇者とは何だ?
一通り歓迎が終わり(レイをかけられたり、米をかけられたり・・・統一感ないな)店員に案内され事務所の中に通される。
イスに座り頭についた米を払い紙テープを外していると一杯のお茶が差し出された。
「どうぞ」
満面の笑みでお茶を勧める店員だがお茶の色がおかしい。なんだよ紫色のお茶って。
とりあえず話をふってお茶を回避する。
「あのここで何をするんですか?」
店員は満面の笑みでお茶を勧める。
いや、飲まないよ。
もう一度話かける。
「あの、もう帰ってもいいですか」
店員は満面の笑みでお茶を勧める。
怖いよ。
「じゃあ帰りますね」
一応一言断りを入れて事務所を出る。
・・・開かない。
最初のコメントを投稿しよう!