勇者さまに選ばれた理由

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「おめでとうございます。お客様は勇者に選ばれました」 デパートに入るなりくす玉が割れクラッカーの紙吹雪が降り注ぐ。 割れたくす玉から出てきた垂れ幕には『祝!100万人達成』と書かれておりここでようやく何かに当選したのだと気づいた。 しかし勇者とは何だ? 一通り歓迎が終わり(レイをかけられたり、米をかけられたり・・・統一感ないな)店員に案内され事務所の中に通される。 イスに座り頭についた米を払い紙テープを外していると一杯のお茶が差し出された。 「どうぞ」 満面の笑みでお茶を勧める店員だがお茶の色がおかしい。なんだよ紫色のお茶って。 とりあえず話をふってお茶を回避する。 「あのここで何をするんですか?」 店員は満面の笑みでお茶を勧める。 いや、飲まないよ。 もう一度話かける。 「あの、もう帰ってもいいですか」 店員は満面の笑みでお茶を勧める。 怖いよ。 「じゃあ帰りますね」 一応一言断りを入れて事務所を出る。 ・・・開かない。
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