幸せに決まった形はない

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 けれども、偶にまぐれ当たりみたいに幻夢を見ることに成功した直後、ビールを飲み過ぎていたお陰でレム睡眠に入って夢の中で彼女がかわいいままで居続けることが稀にある。そんな時、波長が合って楽しくおしゃべりも出来たりする。  これは勿怪の幸いというものでこんな幸せが味わえると分かっていて彼女を選んだのでは無論なく低身長低学歴低収入だから仕方なく選んだようなもので好き好んで選んだわけでは毛頭ないのだ。何せ彼女はかなりの不器量なのだ。  だから彼女とて高望みは出来なくて僕を選んだのだろうが、彼女はビールを飲めないから僕といる時、一体いつ幸せを感じるのだろうかと疑問に思い、僕は聞いてみた。  すると彼女は健気にも笑顔になって、あなたとこうしていられるだけで幸せだわと言った。そして、あなたは?と聞き返すから僕もそうだよと答えてやった。  彼女は僕同様気を使って嘘を言ったのだろうか?そう疑問を感じていると、高身長で立派な体躯をしたイケメン男が海パン姿で颯爽と僕らの前を歩いて行った。
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