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放課後になって、あの子猫がどうなったのか気になって康成と一緒に早足に校舎を出る、子猫の話をしたら彼も気になってようだ。雨は弱まることを知らず降りつづけている。子猫の前には先客がいた、叶先輩だ。 「叶先輩」 声をかけようと思って口にしたのではなく、叶先輩がそこにいたので思わず口から出てしまった。ぼそりと口にしたものの相手に聞こえていたようで叶先輩はこちらへと振り向いた。 「あぁ、昼間の。望君だよね。どうしたの?」 「朝に見かけたのでどうなったんだろうと思って」 だからと言ってその子猫が居たらどうするかなんて何も考えていなかったのだけれど、でも俺が子猫のことを口にすると叶先輩は嬉しそうに微笑んだ。 「そっか」 「その子猫どうするんですか?」 「うん。このままじゃあかわいそうだからね。引き取ってくれる人を探そうと思って」 「オレんちで引き取ろうか?」 康成の言葉に視線を上げる。 「動物好きだし」 康成の家は動物好きだ。猫はいなかったけれど、金魚、カメレオン、九官鳥、ヤギ、などなど不思議な面子が揃っていて、動物園に行くよりも康成の家に行ったほうが動物を身近に感じることが出来るほどだ。 「親御さんに相談しなくても大丈夫?」 不安げに叶先輩が聞く。子供が意気込んで動物を飼う!と拾って親に反対されて泣く泣く諦めたなんていうケースはざらにあるけど康成の家ならそれは大丈夫だろう。 「大丈夫!他にもいっぱいいるから今更何が増えたって問題ねーよ」 康成はにかっと笑って見せ子猫を両手で優しく持ちあげて高く掲げた。 「よし、きめた!おまえの名前はダンボールだ!」 あまりにもあんまりな名前に俺と叶先輩はふたりしてその名前に反対した。
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