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「じゃあ」って、そんなことを撮影を頑張る理由にするのは、どうかと思うけど。
目の前の凌はずっとニコニコしていて、犬のしっぽがパタパタしている幻覚まで見えてきそう。
今日は、同じ部屋に帰るのか。
なんか、変な感じ。
*
学校に行く時間になって、ふたりでバラバラに部屋を出た。
私の方が遠いからと、凌に見送られながら。
「いってらっしゃい、琴香」
「うん。凌も、気をつけてね」
昨日まで二日間そばにいたから、一緒に歩けないことは少しさみしいけど、今さら。
高校に入ってからは、ずっとこうだった。
しょうがないこと。
凌は、プライベートで女の子とふたりでいるところは、誰にも見られてはいけない。
いいんだ。
帰ったら、また凌と話せるんだし。
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