3日目*同じ部屋に帰りたい。

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逃げるように、また電車に飛び乗って、胸に手を当てた。 なんだろう。 疲れたわけじゃないのに、息切れがする。 ……凌が、遠い人みたいだった。 ううん、あれは、リョウ。 私の幼なじみの、男の子じゃない。 そんなこと、分かってる。 だって、雑誌やテレビで見る顔は、“向こう側”の人だったから、今日だって同じ顔をしていた。 ちゃんと、知っていたはずなのに。 私と目が合っても、名前を呼ばない。 そんなこと、知りたくなかった。
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