ニセモノ彼氏と一週間。

３日目＊同じ部屋に帰りたい。

綾瀬くんがふにゃっとした笑顔を見せるから、私もつられて笑う。

今まで話したことがなかったけど、こんなふうに笑う人なんだ。

物腰もやわらかくて、接しやすい。

「そういえば、君嶋とって、何気に話すの初めてだよな」

「あ、私も、今同じこと思ってた」

「なんでだろ、特に接点もなかったからな。明日から、学校でも話しかけていい？」

「うん、もちろん」

ふたりきりのコインランドリーに、穏やかな空気が流れる。

そうこうしているうちに、私の方が先に洗濯も乾燥も終わって、コインランドリーを出ることになった。