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手が届きやすいようにわざわざ屈んだ凌に、口に手を当ててふふっと笑って頭を撫でる。
時刻を確認すると、もう夜の十時近い。
「凌、お腹すいたでしょ? 用意しておくから、先にお風呂入ってきたら?」
「いいの? ありがとう。今日何?」
「今日はカツ丼だよ。この時間に食べるには、ちょっと重たいかな」
「ううん、嬉しい。琴香の料理は、全部好き」
「そう? よかった。あ、お湯がぬるかったら、追い焚きしてね」
「うん」
タオルや、今日洗濯したばかりのパジャマを渡すと、一度お風呂場に向かいかけた足が、もう一度戻ってきた。
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