3日目*同じ部屋に帰りたい。

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「え、なにそれ、新婚さん?」 「んーん、台本にあるんだよね、これ」 「ああ、そっか、同棲する役だから……」 変に納得して、流されそうになるけど、何かがおかしいような気がする。 「ん? 待って、それってさ、私が恥ずかしいだけじゃない? 凌は聞いてるだけなんだから、演技の練習にならないよね?」 「そんなことないよ。俺が、琴香の恥ずかしい顔見たいだけとかじゃないよ」 「ええ……?」 今、自供したような……。 渋って、一歩下がるけど、その分凌が距離を詰めてくる。 「琴香が言ってくれなきゃ、いつまで経ってもお風呂入れなくなる。お腹もすいたー」 「う……」 疲れているはずなのに、なんで積極的にこんなことをしたがるかな。
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