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恥ずかしすぎて、顔だけ真夏以上の熱さ。
「い、言ったよ、ほら早くお風呂──」
「琴香にするー」
「!!」
どさっと、タオルや着替えが落ちる音と同時に、凌がバカなことを言いながら、正面から抱きついてきた。
「ま、間違ってる! 相手役の名前は、愛梨でしょ! 琴香は私!」
「琴香って、ちょうど抱きつきやすい身長だよね」
「だから朝も抱きついたの? もう、いいから、早くお風呂に行って!」
「ええー」
「えー、とか言わない!」
無理やり引き剥がして、両手で体をグイグイと押す。
凌は、のろのろとお風呂場に向かった。
び、びっくりした。
……あとで、台本読んでおこう。
あの三択、本当に愛梨って言うのかな。
今みたいに、愛梨役の女優さんに抱きつくのかな。
……なんか嫌だな。
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