3日目*同じ部屋に帰りたい。

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凌をお風呂場に追いやってから、台本に目を通した。 「……」 嘘つき。 そんなセリフ、ないじゃん。 やっぱり、私で遊びたかっただけじゃん。 疲れてるくせに、妙なことで労力を使うんだから。 お風呂場の方向を睨んで、キッチンへ。 ムカつく。 でも、同時に安心してしまったことに、自己嫌悪。 レトルトのパックご飯をレンジに入れて、カツは卵とじにする。 そのタイミングで、お風呂場の扉の音が聞こえた。 「はー、いいにおいがするー」 まだホカホカと体中から湯気を(まと)わせて、凌がトタトタと廊下を歩いてリビングにやってくる。
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