3日目*同じ部屋に帰りたい。

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「も、もう、またそういうこと言って。それより、今日コインランドリーに行ったんだ。クラスの人にたまたま会って、焦っちゃった」 私は立ち上がり、お茶を入れ直すフリをして、キッチンに向かった。 「あ、だから今日のパジャマ、ふわふわしてて気持ちいいんだ。ありがとう」 「でしょ? 初めて行ったけど、大きい洗濯機にちょっとワクワクしちゃった。今度、凌にもやり方教えてあげるね。私がいなくなるまでに、覚えなきゃだめだよ」 凌に背を向けて、会話を続ける。 真っ赤な顔が元に戻るまで、この場を離れられない。 * その日、眠る前に、ベッドの上で台本を読み返した。 凌が言った、「どこにいたって見つける」なんて。 そんなセリフは、どこにもなかった。
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