4日目*秘密の終わり。

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* 「君嶋って、ずっと同じマンションにいた?」 「……え?」 目的地が同じ校舎ということもあって、成り行きで綾瀬くんと並んで通学路を歩くことにした。 不意に隣から投げかけられた問いに、「え」の形で口が固まる。 「いや、ずっと同じマンションで、しかも同じ階だろ? そんで、学校も同じだから、家を出る時間も同じくらいだと思うんだけど、入学してから今まで会ったことなかったから」 「あ、え、えーと、実は、四日前に引っ越したばっかりで……」 いいよね? これくらい言ったって、凌のことまでバレないよね? 「あー、そういえば、最近近所でバタバタ荷物運んでたって親に聞いたけど、あれって君嶋の家だったんだ」 「そ、そう、それ、うちなの」
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