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そうだ。
あの部屋から出たのを、綾瀬くんに知られてしまった。
同じ部屋から凌が出るのを見られないように、今まで以上に気をつけなきゃいけなくなる。
そのことを伝えようと、メッセージを打っている途中、何だか妙な視線を感じた気がして、マンションに振り返った。
「!!」
凌が、ベランダに出て、こちらを見下ろしている。
変装もしないで顔を出すなんて!
バカ! と、口パクをしながら、慌てて手を大きく挙げる。
何を勘違いしたのか、凌は嬉しそうに手を振った。
違う!
「君嶋、どうしたの?」
「!」
「なんかあるの?」
私の行動を不審に思ったのか、綾瀬くんまでマンションの方へと視線を向ける。
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