4日目*秘密の終わり。

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「ちちち、違うよ! 私、彼氏とかいないもん」 びっくりした。 動揺して落としたチョコを拾って、カゴに入れる。 「あ、そうなんだ? 君嶋って、モテそうじゃない?」 モテたことなど、人生で一回もない。 サラッとこんなことを言ってしまうあたり、言い慣れてそう。 こういうのを無意識に女の子に使って、知らないうちに気分を良くさせてるんだろうな、きっと。 「モテるわけないじゃん。綾瀬くんこそ、女子にめっちゃ人気あるの、知ってるんだからね」 「それこそ、まさか。俺だって、彼女とかいないし」 「告ってくる先から、次々とふってるだけじゃないの?」 「人聞き悪いな」 「ごめん、ごめん」 というか、聞くまでもなかった。 彼女がいるのなら、こんなふうに私とふたりきりになって、誤解されるようなこと、するはずないか。 「買い物は、これくらいでいいかな。レジに行ってくるね」 「そっか、彼氏いないんだ。よかった」 「?」 レジに向かう途中、背中に何か言われた気がして、振り返る。 だけど、ただ手を小さく挙げられただけで、それは気のせいだったらしい。
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