4日目*秘密の終わり。

33/42

215人が本棚に入れています
本棚に追加
/180ページ
足音を立てないように、恐る恐る玄関に近づく。 ドアスコープから、そっと外を覗く。 部屋の外に立っていたのは、ひとりのクラスメイト。 綾瀬くんだった。 「あ……」 そうだった。 綾瀬くんは、偶然見られたから知ってたんだった。 周りに誰もいないのを確認して、ドアを開ける。 「ど、どうしたの? 綾瀬くん」 「あ、ごめん急に。同じマンションにクラスの子がいるって話したら、母さんが作りすぎたコロッケ持って行きなさいって。……迷惑だったよな?」 苦笑いで差し出してくれたタッパーを、受け取る。 まだ温かい。 「えっ、いいの? 嬉しい」
/180ページ

最初のコメントを投稿しよう!

215人が本棚に入れています
本棚に追加