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「気持ちは分かるけど、もうちょっと続く」
「あ、ごめん」
のんびりと凌に諭され、口を手で押さえる。
普段はこんなにボーッとしてるのに、カメラ越しだと別人みたいなんだもんな。
この辺の出身ということはそこそこバレているようだけど、街を歩いていても気づかれないわけだよね。
雰囲気だって、目付きすらも違うんだから。
「俺の、その同棲中の役って、すごい完璧男子なんだって。えーと、スパダリ? って言うの?」
「よく知ってたね、そんな言葉」
確かに、カメラの前のキリッとした凌なら、ピッタリな役かもしれない。
「普段の俺を知ってる琴香なら、絶対無理だと思わない?」
「……」
ちょっと思う。
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