1日目*同棲生活(仮)は前途多難。

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耳をうたがった。 モデルなんて仕事をしていなかったら、いつまででも布団とソファーとお友達でいられる凌が、生きることに積極的な人っぽい発言をした。 「待って、凌……、具合悪いんでしょ? 頭が痛いの? 薬買ってくるよ」 「痛くないから、大丈夫」 青ざめているであろう私を、凌が手招きで呼び寄せる。 先程から指をさしている台本を覗くと、そこには…… 「“愛梨『リョウイチ、すごいね。料理まで完璧だなんて』”……?」 読み上げると、凌は「うん」と、うなずいた。 そして、自分に人差し指を向けて、 「リョウイチ。俺」 謎にカタコト風の日本語を披露した。
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