2日目*初めての恋は君のもの。

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「いただきます」 テーブルを挟んで向かい合わせに座り、凌は両手を合わせてフォークを手にした。 またぴょこんと寝癖がはねているのが気になるけど、今日は学校もないし、仕事も休みだと言っていたから、指摘するのはやめておく。 ていうか可愛いし、このままでいいか。 私も手を合わせて、温かいカフェオレが入ったカップに口をつけた。 朝って、飲み物を口にするだけで不思議とホッとするな。 「はー……、なにこれ、おいしい」 朝の、ぼんやりとしすぎている凌の言葉は、なぜか全部ひらがなに聞こえる。 「全然大したもの作ってないけどね。朝は、ご飯じゃなくてもよかった?」 「うん……、琴香の料理食べれるだけで嬉しい」 それ、私以外の一般女子に言ったら、確実に誤解されると思う。
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