2日目*初めての恋は君のもの。

19/51
前へ
/180ページ
次へ
「ごめん、びっくりさせた? 紅茶入れたんだけど、いつまでもティーバッグ入れてると、苦くなっちゃうからさ。遠くて、届かなくて」 「それくらい、俺もできるよ」 「だって凌に声かけても、気づかないんだもん。隣に座ってるのも、今気づいたでしょ?」 「それはごめん。でも近い……」 「重いって言ったら、顔以外を叩くからね」 「言わないし思ってないけど、そうじゃなくて」 そんなに嫌がらなくてもいいのに。 膝にほぼ全体重を乗せて、手を置いていた私も悪かったけど。 ちょうど離れた、その時、オーブンからピーピーと音が鳴った。 「あっ、焼けたみたい。上手く出来てるといいな」 「はー、琴香が心臓に悪い……」 凌が、変なことを呟いていたけど、構わずキッチンに向かった。
/180ページ

最初のコメントを投稿しよう!

214人が本棚に入れています
本棚に追加