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ふざけている凌をどかして、ソファーに座り直す。
正座をしている私とは対照的に、凌はだらんと足を投げ出して、完全にリラックスモード。
ていうか、脚長いな。
台本を受け取って、必死にセリフを頭に叩き込む私の横で、サクサクサクサク聞こえる。
「えーっと、愛梨のセリフ……“お菓子作るっていう約束、なかったことにしてくれない?”」
「はー、おいしい」
「“だって、失敗しちゃったから”」
「なんで紅茶って、はちみつで真っ黒になるんだろうね」
「“リョウイチはなんでも完璧なのに、彼女の私がこんななんて……恥ずかしい”」
「琴香のお菓子、一生食べたいなあ」
「気が散る!」
「え?」
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