214人が本棚に入れています
本棚に追加
いくらボーッとしている凌でも、毎日一緒にいる幼なじみの様子が目に見えて変われば、原因に気づく。
昔から、喜怒哀楽が欠落したような表情しか見てこなかったのに、凌の怒った顔を見たのはそれが初めてだった。
凌は、何度かいじめっ子たちに物申そうとしたけれど、女同士のやり取りに男が口を出せば、さらにこじれる。
それを知っていたから、私はそのたびに凌を止めた。
「私なら、大丈夫だから」と。
何を言われても平気だなんて、そんなことは少しも思っていなかった。
辛いものは、辛い。
だけど、凌がそばにいなくなる方が、私のダメージは大きかったから、我慢した。
最初のコメントを投稿しよう!