2日目*初めての恋は君のもの。

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それは、小学校五年生の時だった。 いつものように女子にいじめられて、何回目かの、凌の「俺があの子たちに言うよ」を断って、ほんの数日後のこと。 ずっと私にべったりだった凌が、突然彼女を作った。 それは、私をいじめていたグループの、リーダー的な位置にいる女の子だった。 それから、凌は私のそばにいるのをやめて、その子とずっと一緒にいるようになった。 隣同士の家だから、帰れば一緒にいることも出来たけれど、彼女が凌の家に遊びに来ることも少なくなかったから、私は家でひとりぼっちだった。 だけど、私のそばから凌がいなくなるのに比例して、私へのいじめも次第になくなっていった。 正確には、いじめの標的が移っただけだったけれど。
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