2日目*初めての恋は君のもの。

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その一件があって以来、凌は誰とも付き合わなくなった。 モデルにスカウトされて、芸能界デビューを果たした。 高校生になって、初めて別々の学校に通うことになった。 こうして少しずつ時間をかけて、私は凌がいない生活に慣れていった。 いつの日か、聞いてみたことがある。 凌は、フラれても絶対に自分からは追いかけない。 だから、「辛くないの?」と。 返ってきた言葉は、「別に、誰ひとり好きじゃなかったし」だった。 何人も女の子と付き合ったことのある凌が、片想い以外の恋愛経験がない私に、恋愛ドラマのための経験をわざわざ頼む必要があるのかと思っていたけど、 経験値だけを見れば、きっと凌も私とそんなに変わらないのだろう。
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