2日目*初めての恋は君のもの。

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体育座りのまま、熱いカップにフーフーと息を吹きかけている姿に、一瞬目をやる。 凌の彼女になった女の子が、凌の家に入っていくところを、何度も見たことがあるけど、家の中でふたりで何をしてたんだろう。 当時は、まだ今よりも子どもだったわけだし、大したことはしていないと思うけど。 こんな風に、並んでお茶を飲んだりとかしたのかな。 ……凌って、お茶とか入れられるのかな。 あ、女の子の方が入れ方知ってるか。 なんだろう。 その姿を想像すると、妙にモヤっとする。 「私ね」 「うん?」 「昔、凌のことが好きだったことがあるの」 「!?」 凌がカップに口をつけたばかりの凌が、ブフッとお茶を吹いた。 「えっ、びっくりした。熱かったの?」
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