213人が本棚に入れています
本棚に追加
「おはよう、琴香」
「あ、みのり。おはよう」
友達のみのりも登校してきて、視線を重ねた。
それでも気になるのは、まだまだ楽しそうにリョウの話をしているクラスメイト。
それに気づいたのか、みのりもそちらに目を向ける。
「さっきから何見てるの? ……ああ、またリョウ?」
「う、うん。今日発売日だから、買って帰らなきゃなって」
「琴香も好きだよね。この近くの出身って聞いたけど、本当かな?」
「ど、どうだろうね? プロフィール、ほとんど公開されてないから」
「中学の時とか、毎日同じ女の子と一緒にいたって聞いたな。彼女とかだったりして」
「ま、まさか……」
図星をつかれて、ドキドキと心音が大きく騒ぐ。
「もしそうなら大変だよね。バレたら、彼女は大変なことになりそう」
「は、はは……」
私は、彼女じゃないけど。
──この関係は、絶対に秘密。
最初のコメントを投稿しよう!