2日目*初めての恋は君のもの。

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こてんと、小首を傾げる姿が、可愛い。 本当に、大きい弟みたい。 私は口に手を当てて笑い、凌の頭上まで手を伸ばした。 「うん、そばにいるよ」 完全に、小学生くらいの男の子を撫でるような感覚で、油断をしていた。 その手を、大きな手がガシッとつかみ、思わず息を呑んだ。 その表情は、「可愛い弟」なんかじゃなかったから。 「よかった。言ったのは、琴香のほうだからね」 ……あれ? 不敵な表情で笑う顔は、見知った幼なじみの姿じゃなかった。 ニコニコと見つめる顔を目の前に、私の体は勝手に一筋の汗を流した。
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