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「凌ー?」
何度声をかけても、ひと言の返事も聞こえてこない扉を、そっと開ける。
「部屋、入っちゃうよ?」
隙間から覗くと、カーテンがしまって薄暗い部屋のベッドで、丸まっている姿が視界に飛び込んできた。
また、大きい猫みたいになってる……。
「凌」
「んん……」
部屋の中に直接声をかけると、ようやく反応が返ってきた。
ますます丸くなった猫の姿に、ふう、と息をつく。
「こら、布団かぶり直さないの」
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