3日目*同じ部屋に帰りたい。

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「凌ー?」 何度声をかけても、ひと言の返事も聞こえてこない扉を、そっと開ける。 「部屋、入っちゃうよ?」 隙間から覗くと、カーテンがしまって薄暗い部屋のベッドで、丸まっている姿が視界に飛び込んできた。 また、大きい猫みたいになってる……。 「凌」 「んん……」 部屋の中に直接声をかけると、ようやく反応が返ってきた。 ますます丸くなった猫の姿に、ふう、と息をつく。 「こら、布団かぶり直さないの」
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