第2章

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  ***   軽い足取りで歩いた。髪を切ったばかりの頭が軽いから? 心配してもらえたから?    分からない。分からないけれど、今ならスキップできそうだった。   晴れやかな想いで、鮮やかな世界を見下ろして笑った。   こんなにも軽い。縛り付けられたものが無くなった。   やはり愛とは素晴らしい。こんなにも美しい世界を見たのは初めてかもしれない。   不安定な綱を渡ってきた。落ちるのが怖くて、下を見るのが怖くて、ずっと命綱を探してた。   別にいいじゃないか。落ちたっていいじゃないか。きっと風を切る感覚は気持ちがいいだろう。   そんな思いで彼は空を舞った――。
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