【完結】崩濡～淋しい女の共依存の夜【光尾取材メモシリーズ】

抱かれれば抱かれるだけ淋しくなる不思議

明けない夜はない、などと言いますが、明けない夜はどうやらあるようなのです。
夜に消えたまま、どこかへ行ってしまった女性がいます。

消えてしまった女性はスマホをコインロッカーに入れて消えたことが、あとになって分かりました。

彼女はいつも、
「スマホを持ってるといつも確認しちゃうから。こないメッセージを待っちゃうから」
と言っていたそうです。

だから、友だちに預かって、と言ったり、クッションの封筒に詰めてポストに入れて、宛先は自分の家の住所にしたり（これは違法です。）したそうです。

そうすれば、その晩には、スマホをチェックしなくて済むから、だそうです。

物凄く痛切で、息苦しいエピソードだと感じました。

私は恋愛の苦しみは理解することができませんが、スマホのチェックをやめられないのはよくわかります。

私は仕事で取材に出たメモを、スマホやPCに書き写し、記事作成をしている最中に、【エブリスタ】に文章をアップしてしまいます。
そしてまた仕事に戻ります。
しばらくすると今度は仕事の連絡が来ていないか、スマホやPCを確認してしまいます。
これは中毒のような依存のような、癖になっています。

だから、夜にどこかへ行ってしまった女性がスマホを見るのをやめたい、やめられない、という気持ちはよく理解できました。