【完結】崩濡～淋しい女の共依存の夜【光尾取材メモシリーズ】

vol.1 みまり・２３歳

みまりは次に付き合う男性は「働いていない人がいい」と思った。

働いている男性はいつもいない。
働いていた元カレはケイタと言った。
ケイタは朝早くに家を出て、夜まで帰らない。
仕事の付き合い、仕事の取引先の接待、出張。

一緒に暮らしていても、相手がいなければ一人なのだ。

みまりはケイタがいないと過食した。
淋しさを紛らわすのは、映画を見ながらお菓子、ジャンクフードなどを食べることだった。

でも、ケイタはみまりが痩せていているから好きなんだろうと思った。
だから、太るわけには行かなかった。
満腹まで食べて吐く。
過食の様子を動画に撮って配信しようと思うこともあったが、ばれるのが怖い。
なんで動画を配信したいのかと言えば、誰かとつながりたい、誰かに相手にされたい、
「私も同じです」
と言われたいからだった。
不思議なのだが、ネット上では女の子を求めている。
男性からの反応は求めていなかった。
でも、街へ出れば、求めているのは男性だった。

みまりはナンパされるために、夜遅くに化粧をし、髪を巻く。
この時間に出かける準備をするのは嫌いだった。
なんともいえない虚しい気持ちになる。