vol.1 みまり・23歳

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吐いたものと食べたもののカスをゴミ袋にまとめたものを持参する。 明日は生ゴミの日なので、夜のうちに出しておく。 管理人さんに見られたら怒られるが、管理人さんはお年寄りなのでもう眠っている。 スマホの時計を見る。 午後10時半。 3a35ffad-254f-4a39-b7d9-792b24d553c8 ケイタは今日、接待なのだ。 もしかしたら、ケイタが先に家に戻るかも知れない。 そうしたら、みまりがいないことを心配するだろうと思う。 心配すればいいと思う。 怒られたい。 ヤキモチを焼かれたい。 そうして初めて愛されていると実感できるのだ。 みまりにとって執着されることが、愛されることだった。 街に出ると、車の男性が声を掛けてきた。 「どこいくの?」 「おねえさ~ん」 二人組みなので無視をした。 怖い思いをしたことがある。 一対一がいい。 それに、スーツの男性がいい。 お酒を飲んで真っ赤な顔をしていて、そういう人がいい。 お酒の勢いを借りている感じ、このまま家に戻るのは淋しいという感じ、 そういう感じがある人がいい。
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