vol.1 みまり・23歳

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みまりは繁華街に向かった。 でも、繁華街のなかを歩いたりはしない。 勢いが苦手だった。 decec62a-2667-4551-9503-2b947fd3760a ちょっと外れた場所のカフェに入った。 ネオンを受けながら、みまりは辺りをきょろきょろとした。 店の外からみまりを見ている男性がいた。 スーツを着ている。 何度も行ったり来たりして、見ている。 店に入ってきた。 みまりは立ち上がり、店を出るふりをした。 男性はみまりの横にすっと来て「いくら?」と訊いた。 そんなつもりではなかったみまりは一瞬、驚いた。 「そういうんじゃないんです」 みまりは言った。 「でも、今夜ひま?」 「どうでしょう」 みまりは繁華街の前を歩いた。 男性はついてくる。 03d7435b-a290-4ad7-97b5-af3c60cc44d8 「じゃあ、欲しいものない?」 男性は訊く。 「なんで、遊ぼうって誘わないんですか?」 みまりは訊いた。 「あとくされないほうがいいから、安いものでも欲しがってくれたほうがいいんだけど」 男性は言った。 痛い目を見ているらしい。 みまりは「私のほうにも彼氏がいるので、あとくされはないですよ」と言った。 男性はにやっとして、「じゃあ、行こう」と言った。 「どこへ?」 みまりは訊いた。 「ホテル、じゃないの?」 「ホテルで何をするの?」 「いろいろ。大きなお風呂もあるし、バリのリゾート風のいい感じのホテルだから。マッサージもさせてあげるよ」 「・・・」 「好きなものを食べていいし、お酒も飲もうよ」 男性は言いました。 「可愛いから欲情しちゃったんだよ」 男性が言った。 その言葉に、みまりは立ち止まる。 「もう一回言ってみて」 「すっごい可愛いから、したくなっちゃった」 その言葉に満足して、みまりは男性とホテルへ向かった。 *******
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