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「うん。私も、……したい」
そう言ってぎゅっと抱きついて、口付ける。自分から舌を入れたけれど、すぐに絡みとられて舐られた。それと同時に耳たぶをいじられて、そのまま爪で首筋をなぞられる。
「ふっ、んん……っう」
ぞくぞくする感覚に、体がびくつく。慶一さんは口付けを続けたまま、私のパジャマのボタンを外していった。そしてそのまま上着を脱がそうとするから、慌てて手首を掴んで止める。
「や……、慶一さん。ベッドに」
「やだ。ここでしたい」
耳もとで、囁かれる。
「なら、電気! 電気消して!」
「駄目。明るいとこで、紗江を見たい」
きっぱりと言い切る夫の我がままっぷりに、ちょっと呆れて見つめてしまう。でも慶一さんは自分の欲情を隠そうともせず、私のことを見つめ返した。なにこのダダ漏れフェロモン。
「紗江?」
「……ずるい」
私が慶一さんのお願いに弱いこと知ってて言うんだから、ずるい。口をへの字にしてむくれると、彼はくすくすと笑って私の両頬をそっと撫で上げた。
「紗江は可愛い。俺の最高の奥さんだ」
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