4. どれ

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「うん。私も、……したい」  そう言ってぎゅっと抱きついて、口付ける。自分から舌を入れたけれど、すぐに絡みとられて舐られた。それと同時に耳たぶをいじられて、そのまま爪で首筋をなぞられる。 「ふっ、んん……っう」  ぞくぞくする感覚に、体がびくつく。慶一さんは口付けを続けたまま、私のパジャマのボタンを外していった。そしてそのまま上着を脱がそうとするから、慌てて手首を掴んで止める。 「や……、慶一さん。ベッドに」 「やだ。ここでしたい」  耳もとで、囁かれる。 「なら、電気! 電気消して!」 「駄目。明るいとこで、紗江を見たい」  きっぱりと言い切る夫の我がままっぷりに、ちょっと呆れて見つめてしまう。でも慶一さんは自分の欲情を隠そうともせず、私のことを見つめ返した。なにこのダダ漏れフェロモン。 「紗江?」 「……ずるい」  私が慶一さんのお願いに弱いこと知ってて言うんだから、ずるい。口をへの字にしてむくれると、彼はくすくすと笑って私の両頬をそっと撫で上げた。 「紗江は可愛い。俺の最高の奥さんだ」
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