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「体温高い。眠いの?」
聞かれてムッとする。子供か、私は? 男女の六歳差は夫婦になると関係無くなるぞ。というか、慶一さんの方が子供っぽい時いっぱいあるし。
「眠くない」
そして頬と頬を擦り合わせる。慶一さんのちょっと伸びた顎ひげがチョリチョリとした刺激を私に伝える。
「ああもう、ニュース観てたのに……」
ぼやきながらもリモコンに手を伸ばして、律儀にテレビの電源を落とす。そして私の唇にチュッと口付けると、慶一さんはにやりと笑った。
「紗江、誘ってる?」
「……うん。誘ってる」
言いながら恥ずかしくなって、目を伏せた。くすりと小さく笑い声が聞こえて、今度は深く口付けられる。慶一さんの唇が薄く開くけれど、彼の方からは来てくれない。誘うんならお前からこっちに来い、ってところだろう。私はそっと舌を彼の口内に差し入れた。
彼の口の中にお邪魔して、舌と舌を擦り合わせる。……反応無し。
この人はー! って思いながら、舌の根本に潜り込んで起き上がらせるように絡ませる。これでどうだ⁈
鼻息荒く頑張っていたら、またくすくすと笑われた。
「紗江の、下手くそ」
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