4. どれ

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 もうやだ、なにこの口説き文句。ボンって感じに真っ赤になってわたわたしていると、するりと上着を脱がされた。そのまま軽く抱きしめられて首筋を唇でたどられ、鎖骨まで降りて、じゅっと吸われる。跡のつくやり方だ。 「……っふ」  たまらず息を吐き出して、彼の髪の毛に指を突っ込んでぐしゃぐしゃに掻き撫でる。お互いにくすくすと笑って、慶一さんは唇で肌をなぞると、好きなところで跡を残す戯れに熱中した。時々甘噛みされて、歯を立てられて、痛みと紙一重の刺激にぞくぞくして。肌の感覚が鋭敏になったところで、乳房の先端に辿り着いた。 「あ……」  舐められちゃうのかな? とか、やらしい期待でいっぱいになる。どきどきしながら慶一さんの頭頂部を眺めていたら、不意に顔が上がって見つめられた。そしてそのまま私を見つめながら、慶一さんは舌先で乳房の先端を弾く。 「あん、あ……、あんっ」  目が、離せない。慶一さんの舌先がいやらしく動く様と、彼の真剣な瞳。そのどちらも私の皮膚感覚をより鋭敏にさせ、全てを快楽に導いてゆく。そして彼は大きく口を開けると、思い切り頬張るように乳房の先端を吸い上げた。
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