手記

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手記

最初にこの身に死後が近づいているというわけではない。 だんだんボケやすくなっているのは身に染みてわかっている。 本当にボケる前に誰にも話していない私の幼少期をまとめる。 今から書くことが事実で全てだと思わないように。 二人が様々考えた末、結果が思う様にならなかっただけだと信じてる。 昔書いていた日記を参照しながら今の想いを挟みつつ書き綴る。 もし私の死後発見した場合処分は任せます。 世間には公表しないように。 私の母の名前は歩堂未知子(ふどうみちこ)。 芸名でもあり本名でもあった。 旧姓は不明。 舞台女優だった。 舞台一筋ながらも知名度が高かった。 父は巳智波行長(みちなみゆきなが)。 一介の国語教師だった。 穏やかな人だった。
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