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『そんなことしてたんだ。それは恥ずかしよね……でもさ、あの日から今まで一緒にいてくれたのって何?沢山いろんな所行ったけど、恋人らしいことってなかったじゃない?その、最初の夜の後は……』 『それかぁ、それは試したかったんだ。あ、ミツホのことじゃないよ。俺自身をだよ。一年間ミツホが見続けてくれるような存在になれたら、自信を持って気持ちを伝えられるって……あ、あとさ、最初の夜って何もなかったよ。ミツホ、止めたのに勝手に服脱いで寝たんだから』 『え、えと、そうだったの?だからあんなに健全だったんだ?それに最初の夜……何も なかったんだ……何で一年もそんな風に大事にしてくれたの?』 『何て言うのかな……もちろん色々なとこが好きだけど。いい言葉出てこないなぁ……あ、そう、凸凹みたいじゃないか?俺達って。上手く填まってると思わない?』 『思わなくは……ない……けど。一年も私みたいなアラサー女を待つなんて……柏木君、それでいいの?』 『それはイエスって受け止めるけど、いい?』 私はもう、自分の殻に籠ることは出来なくなっていた。 『柏木君……もう……さぁ、そっち行っていいかな……?』 私は柏木君の元へ一歩踏み出した。
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