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『貴女の頭ポンポンで気が滅入ったのは確かだけどね』そう思いながら「ほら、仕事の準備して」とこの場を抜け出したくて促した。
「あ、ミツホ先輩。何だか辛そうですね。ちょっと待って下さいね」
今度は人の言うこと聞いてるのかいないのか、そう言ってスマホをいじり始めた。
「あ、やっぱり。ミツホ先輩、今日はあまり良くない一日みたいですよ」
『ん?何?まさか……また占い?まかさね』
「ツキを回復するラッキーパーソンは傘を持った人ですって。あ~残念。今日は持ってないなぁ、傘」
『やはり来たか……傘を持つ人。もうどうでもいいけど、とりあえずラッキーパーソンが貴女でなくて救われたわ』半ばこの状況には呆れかけていた。
「ありがとう。じゃあ、仕事始めよっか。カナ……じゃない、野原さん」
『傘を持つ人……くどい。くど過ぎる。こうなったら街往く人が傘持ってないか、細目に観察してやろう』
そんな小さな決意を固めて気が付いた。
『私も何してんだろ?仕事、仕事に集中しないと』
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