recipe3

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「そんなこと…。主人なんて、私の作った料理をあんまり美味しいとは思っていないみたいだから…。」 「もったいないなぁ。ウチは有難いよ、本当に。親父の為に作ってもらってるのに、いつも俺までご馳走になってて申し訳ない。」 “あなたの為に作ってるのよ”って言ったら引かれるだろうか? 浮気って一体どの時点から言うのだろう?もし心に想うだけで浮気というのなら、私はとっくに浮気者だ。 「今日は雨で仕事にならないってガッカリだったけど、休んで良かったよ。こうして美味しい手料理にありつけたし、冴子さんには会えたし。親父も昼寝から起きたら喜ぶよ。」 咎められるようなやましい事は何一つしていない。 だけど、名前で呼んでもらえるように仕向けたり、雨の日を狙って訪ねてみたり、心の中はやましさだらけだ。
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