3人が本棚に入れています
本棚に追加
「今日は来てくれてありがとう。レイチェル」
「別に。暇だったから来てあげただけです」
「あはは!それでも嬉しいよ」
素っ気ない態度をとっているにもかかわらず。アスカ王子は嬉しそうに私の手を握って、ダンスホールで華麗に舞い踊った。
「なんであんな女が」
「私だって、アスカ様と踊りたいのにぃーー」
嫉妬に歪んだ目付きで、私を睨みつけてくる女性達。
それもそうだろう。誰もが彼と踊りたいと思うなかで、何故か嫌われ者の私が選ばれたのだから……。
「ねぇ。どうして貴方は私を選んでくださったの?」
こんな嫌味しか言えない嫌われ者の女じゃなくても、美人な人は沢山いるというのに……。
「……好きだからです」
「……え」
踊っていた私達の足が止まった。
今、彼はなんて言ったの?
「私が……好き?」
「はい。俺は貴女の事が好きです」
するとアスカ王子は、その場で跪いて私の手を取った。
「レイチェル・ダイアリー様。俺に貴女を選ばせて下さい。俺ならきっと、貴女を幸せにしてみせます!」
「ア、スカ……様」
こんなに真剣な告白をされたのは初めてだ。
嬉しい。
皆の憧れの王子様に好意を持たれるなんて……凄く嬉しい。胸もちゃんとドキドキいってる。
アスカ王子は、こんな私を幸せにしてくれると言ってくれた。選ばせてほしいと言ってくれた。
コルク王子はきっと……これからも私を選んでくれることはないだろう。
アスカ王子なら、私はーー。
最初のコメントを投稿しよう!