赤薔薇の女王様

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「コルク様!!」 「……ダイアリー様?」 ようやく見つけたコルク王子の手には、三本の赤い薔薇が持たれていた。 その指には、絆創膏も貼られている。 きっと、薔薇の棘で怪我してしまったのだろう。 「どうして……そこまでして……この薔薇を飾ってくださったのですか?」 意地悪な私の質問に、コルク王子は耳を真っ赤にして口をパクパクさせている。 その姿があまりにも可愛らしくて、どうして三本の薔薇だったのかその意味を知っていた私の鼓動は、期待と嬉しさでどんどん速さを増していた。 「三本の薔薇の花言葉は……『愛しています』」 「っ!!ぼ、僕はっ……」 「ねぇコルク様。いつも私に聞いてましたわよね?『どうして僕なんかを選んでくれるのか?』って。それはですね……私が貴方様を愛しているからですよ」 私はコルク様の手を取って、その甲に口づけをした。 きっと私はこの薔薇のように、また彼を傷つけてしまうことがあるかもしれない。 でも、薔薇は傷つけるだけじゃない。愛の言葉を伝えることだって出来る。 だから私も、この三本の薔薇のように何度も愛を伝えよう。まだ全てを信じることが出来ない彼の為にも。私の為にも。 「コルク様。是非私と、踊ってください」 「っ……よ、よろしく。お、お願いします」
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