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それからというもの、私とあの人のコンビは、まさに破竹の快進撃を遂げた。
私が企画を立案して、あの人はその企画を見て、問題点を徹底的に詰めていく。
その上で、私には絶対に思いつかないような奇抜かつ独特のアイデアを細かいところに随所に張り巡らせて、企画自体を厚みのあるものにしてくれた。
私は持ち前の外交力でもって、それを様々にあらゆるところに売り込んで、プレゼンを重ね、その上根回しも抜かりなく行って、企画を通し続けた。
途中、プレゼンの時に、ライバルがかなり秀逸な企画を立ち上げてきた時も、あの人はすぐにこちらの企画の弱いところを見つけ出して補強してくれ、その上、ライバルの企画書の問題点も鋭く指摘し、私はプレゼン時に、そのライバル側の問題点を執拗に追及して、相手を打ち破ってきた。
確かに私が営業し、売り込み、根回しも入念に行っていたのだが、実際に、私たちの企画がいつも通り続け、その上それなりの大きな成果を上げ続けたのは、明らかにあの人の徹底的な分析能力と誰も思いつかないようなアイディアの発案の数々が随所に効いていたからだ。
私は、あの人をもっと昇格させたかったのだが、あの人は、いわゆる正規なコースで私の部下になってる人たちに変な嫉妬心や引け目を感じさせることを良しとせず、うちの部署の中では一番下の部下であることを希望し続けた。
故に、給料も上がる事はなかったが、そこで私は、一つの企画が通り、それが結果的に成功に導かれた場合に、その功労者に報奨金を出す制度を上司に提案し、それによってあの人に給料+のボーナスを渡すことができた。
他の私の部下たちも、すでにあの人の能力の凄さには恐れをなしていたので、この報奨金制度に文句を言う者など誰一人おらず、寧ろ、あの人が報奨金を手にする度に、打ち上げと称して、あの人のお祝いをしてくれる部下まで現れるようになっていた。
彼らはもはやあの人に心酔していたし、それは当然のことで、私だってほとんど、あの人の信者みたいなものだった。
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