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シトシトシトシトシトシトシトシトシトシトシト
梅雨の時節、水の月、薄靄を煙らせて雨が降る。
しとしとしとしとしとしとしとしとしとしとしと
目を閉じていても私は、その音に、刻一刻と自分が潤うのを感じとる。
屋根裏のトタン板の上の外に張り出した梁。堪らないとばかりにぽたりぽたりぽたりと雫を落とす。
時に私は大きく手を開け、その雫を吸い受けて飲み下す。
私の腕からも雫は溢れて跳ね返り、ぽたぁん…と
宙を水の珠が、弾ける。
私はHydrangea 水の器。
降り続く雨と、雨の混ざり具合で彼方にも色を寄せ
此方にも染まるのです。降り落ちる雨の珠を見つめ
そ、の、色に、染められた私を手にしたいのならば
続く雨何時迄も垂らし、たちまち移り
変わる色を抱きしめれば良い。
hydrangea....紫陽花
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