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わざと異形、奇形を目指す人間がいると聞いて…。
結局、このクリニックの”敏腕”医師の取材は没か。
それに、美容整形系は真新しくないか。
私とカメラマンLさんは諦めかけました。
そのとき、Lさんは知り合いの伝手をたどっていました。
そして、何か進展があったようです。
『病理的に異形に向かっていく人じゃなくて、自発的に異形に向かっていく人たちがいるらしいよ』
とLさんが言いました。
「どういう人たちでしょう」
私は前のめりに訊きます。
前借した取材費も目減りしていく中、早く取材先を見つけたい、そういう思いが常にありました。
『わざと自分を壊すように手術を繰り返す人、でしょ』
「その人って会えますかね」
『そういう店があるらしいんだわ』
私とLさんは”そういう店”へ向かいました。
(追記・”そういう店”があるのではなく、すでにある店のなかに間借りをして営んでいるため、外から見つけることは不可能だと思います。)
このような変わった店、変わった集まり、いわば暗部のようなものは意外と都会のなかに紛れているものです。
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